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琵琶湖の湖岸で採集したヌマエビです。
川や湖でスジエビやテナガエビ以外のエビちゃんが捕れると、
たいていヌマエビ(詳しい人はヌカエビと言ったり)として片付ける人も多いと思います。
その多くがヌマエビではなかったりします。ヌマエビは意外と少ないです。

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非常に見づらいですが、額角というリーゼントみたいな部分に細かい棘があり、
それが眼より左側まで伸びています。また、その額角と両眼の間に、1対の棘があります。
これを確認しないと、ヌマエビだとは言えないようです。ちょっとした角度によって、
見えなかったりするので、色々な角度から撮って、確認するしかないのかも。

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琵琶湖にエビちゃんは、アメリカザリガニ、スジエビ、テナガエビ(移入?)、
ミナミヌマエビ(絶滅)、カワリヌマエビ属の一種(移入)、ヌマエビが確認されています。
この中ではおそらくヌマエビが探すと一番見つかり難いと思います。

ヌマエビのように名前はよく知っているけど、実はあまり見かけない生物は結構いますね。
カワニナ科にもいて、それはカワニナです。縦肋(ヒダ)のないチリメンカワニナが多く、
愛知県でカワニナをかなり探したのですが、1個体も捕ることが出来ませんでした。
縦肋のないチリメンカワニナは山ほど採集。そのカワニナは本当にカワニナですか…。


追記 2013年1月20日
にいつまさんにヌカエビと教えて頂きました(感謝)。
その後にヌマエビ類の考察により、ヌマエビ中部種琵琶湖集団としました。
更に中部種琵琶湖集団を池田氏の示し方に従い、北部-中部グループ琵琶湖型と改めました。

コメント一覧

かっちゃん メール URL - 2011/04/14 (木) 23:30 edit

こんにちは、かっちゃんです。

ヌマエビとヌカエビの見分けは難しいですね。
エリア的に、神奈川は両方生息しているのですが・・・全く解りません。(笑)
わが家に水槽が立ち上がったのは、河原で何気なしにすくったエビがきっかけでした。
ヌマだったのかヌカだったのか解りませんが・・・

エビは眺めていると和むので好きですね。
基本的にハゼを入れない事にしてある40センチ水槽があります。
以前は容易に捕れたんですが、台風の大増水で流路が変わって、前のポイントでは捕れなくなりました。
たくさん居るポイントを開拓できていないので、わが家ではエビは希少種となっています。

西村 メール - 2011/04/16 (土) 00:52 edit

かっちゃんさん。コメントありがとうございます。
数年前の関東遠征でヌカエビだと思って持ち帰ったのは、カワリヌマエビ属の一種でした。
先日、愛知県でヌマエビと思って持ち帰ったのは、ミゾレヌマエビでした。
こちら濃尾もヌマエビとヌカエビの両方生息しているようですが、
まともに同定していなかったこともあり、両方とも確実に捕った記憶がありません。
まぁ飼育するとなれば、そんなことはどうでもよく、エビちゃんなんですけどね…。

ryu-oumi - 2011/04/18 (月) 11:03 edit

以前、ヌマエビか?と思われる個体を
滋賀県Y川で採取しました~
結果は、自称専門家の方に『スジエビの鋏無し)と言われ・・・
西村さんが書かれている”1対の棘”を頼りに
また、探して見たいと思います。

西村 メール - 2011/04/18 (月) 22:46 edit

ryu-oumiさん。コメントありがとうございます。
1対の棘はほとんど透明で、肉眼ではギリギリ、写真も角度によるので、顕微鏡の世界かな。
昨日は三重県でヌマエビが大量に捕れました。ヌカエビかと期待したのですが…。

にいつま - 2013/01/11 (金) 11:55 edit

古い記事にレスすみません。

額角間の棘は、ヌマエビとヌカエビを分ける要素ではなくなりました。
写真のエビは、模様からしても、典型的なヌカエビと思います。

ヌマエビ(沼にはいないんですが)は、形も模様もかなり違います。

西村 メール - 2013/01/13 (日) 02:10 edit

にいつまさん。コメントありがとうございます。
古い記事でもこうした指摘を頂くことは、大変にありがたいと思っています(感謝)。
昨年6月にミゾレを捕ったときに、ちょっと調べたことがあったのですが、
ヌマエビは両測回遊ということで海を必要とする。琵琶湖は天瀬ダムがあるため、
ほぼ海から来ることは出来ない。そう考えるとヌカエビなのかもしれないなぁと。
ただ、琵琶湖を海替わりに使うコアユやビワマスなどもおり、固有な種類が多いのと、
琵琶湖産スジエビのような地域個体群もいるため、迷ってそのままにしていました。
分ける要素ではなくなりました。という整理された論文等はネットで確認できますか。
これでヌマエビを探したくなるため、今後の参考にさせて下さい。お願いします。
紀伊半島でそれっぽい個体は捕ったのですが、近場(名古屋圏)で捕れないかなぁと。
ヌマエビからヌカエビへ訂正しますね。ありがとうございました。

にいつま - 2013/01/18 (金) 10:23 edit

すみません。まさかレスいただいているとは思いませんでした。うれしいです。
「分ける要素ではなくなりました」は、ちょっとざっくりと書きすぎました。

ttp://ir.library.tohoku.ac.jp/re/bitstream/10097/16879/1/A2H060505.pdf
池田実氏の、日本産ヌマエビの地理的分布と種内分化に関する遺伝学的研究

第5章に、そのあたりのことが記載されています。
引用します。
中部グループにはヌカエビ関東、ヌカエビ東海、ヌマエビII型が含まれ、中卵を示す琵琶湖集団を除いて大卵であったが、棘を持つ個体のみから構成される集団、持たない個体のみから構成される集団、両方の個体から構成される集団の3種類が存在した。

西村 メール - 2013/01/19 (土) 22:24 edit

にいつまさん。追加コメントありがとうございます。
その論文は既読でした。今日ちょっとネットと図書館で調べてみましたが、
はっきりしたことはわかりませんでした。長くなりそうなので、
新記事を作りますので、またコメントを頂けると幸いです。