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食用

文献2の「カワニナは本当に美味しい」というコラムには、 チリメンカワニナや琵琶湖に生息するカワニナ類とは、 比較にならないほどカワニナは味が良いとされる。 それを検証すべく、日本産カワニナ科全21種類を、水と少量の塩で約2分間茹で、中身を爪楊枝で取り出した。 胎殻がある場合は取り除くこともあったが、基本的には全て試食した。 この茹でるという方法は、胎殻を確認するのにも有効である。

●カワニナ科は美味しくない

写真は左上から、カワニナチリメンカワニナクロダカワニナハベカワニナタテジワカワニナフトマキカワニナクロカワニナタケシマカワニナシライシカワニナナカセコカワニナナンゴウカワニナコセイカワニナカゴメカワニナイボカワニナタテヒダカワニナオオウラカワニナホソマキカワニナヤマトカワニナ(結節型)ヤマトカワニナ(肋型)ヤマトカワニナ(チクブカワニナ型)モリカワニナ。 全て試食した個体である。結果として21種類中でカワニナは、中間的な位置に感じ、味が良いとは言えない。 最も味が良いのはタテジワカワニナであったが、好んで食べる気にはなれない。

全体的に体層の軟体部は、食感がアワビ類に近く、美味しい種類が多いため、その部分だけ食べるのが良い。 内臓に胎殻のある場合は、噛み砕く食感が極めて悪く、食べ物とは思えない。 また、内臓は青臭さのある種類も多く、殻頂に近いほど苦味が強くなる傾向がある。 その中でもナカセコカワニナは、舌が痺れるほどの苦味が、毒のようにも感じた。 主な可食部は体層の軟体部だけで、それ以外は不可食部と判断した方が良い。 胎殻を取り除いて佃煮も作ったが、味の変化はあまりなかった。 結論として日本産カワニナ科は美味しくない。

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