目次 分類
ナカセコ系とイボ系は胎殻の形態等が異なるため別系にしたが、近縁関係にあると思われる。 ナンゴウカワニナ、ハベカワニナ、クロカワニナ、フトマキカワニナ、タテジワカワニナ、タケシマカワニナ、シライシカワニナはナカセコカワニナの型。 オオウラカワニナとホソマキカワニナはタテヒダカワニナの型と見なした。こうした考え方で整理すると、 日本産カワニナ科はカワニナ属(亜属はない)全10種(複数の型)になる。 カワニナ属は文献6のアロザイム分析で、 カワニナ、チリメンカワニナ、ハベカワニナ、ヤマトカワニナ、タテヒダカワニナの5グループに別れ、 タテヒダカワニナのグループ以外は近縁な関係を示すとされる。 但し、発表を聴講された方によると、サンプルの同定に不備があったようだ。 その後に文献16として、 論文化されたが、全ての種類を調べておらず、サンプルの画像も無いため、情報の信用性に問題がある。 ●変異幅と漸移 図はタテヒダカワニナの変異幅を簡略的に表したものである。 文献9はタテヒダカワニナにある変異幅の両端を、 オオウラカワニナやホソマキカワニナとして分類した疑いがある。 3種の形態的な相違点を端的に示すと、オオウラカワニナは縦肋が顕著、 タテヒダカワニナは縦肋がある、ホソマキカワニナは縦肋がないである。 その境は非常に曖昧なため、中間型と見なせる個体が多く出現する。 こうした変異幅の漸移は、ナカセコ系でも同様の印象が強い。 日本産カワニナ科は形態学的な研究は限界が近づいている。 今後は遺伝学的な解明が待たれる。 目次 |