目次

和名シライシカワニナ
学名Semisulcospira (Biwamelania) shiraishiensis Watanabe et Nishino, 1995
分類カワニナ科 カワニナ属 ヤマトカワニナ亜属 シライシカワニナ種
写真
分布琵琶湖北湖(沖の白石周辺)。
環境水深1.5m(通常は水深3.5m)以深の岩礁に見られるが、生息密度は非常に低い。
食感は良く、やや苦く、平均的な味。
形態 殻底肋3〜7本、強い螺状脈(螺肋)と縦肋が交わり、顆粒を形成する。次体層の縦肋数約20本だが、 縦肋は盛り上がるのではなく、螺状脈を縦方向の溝で区切ったような形状で、縦肋は弱く横長で乱れ、正確な縦肋数は数え難い。 殻高が高く大型になる。 縫合が括れたカゴメカワニナに似た個体、 殻口が大きく螺層角が広く太短いハベカワニナに似た個体、 螺層角が狭く細長いタテヒダカワニナに似た個体など表現型が広い。 タケシマカワニナの特徴を全体的に顕著にさせた印象を持つ。
備考 ハベカワニナの項で記したように、 本種とハベカワニナは同種と思われるが、 本項は本種と思われる琵琶湖北湖(沖の白石周辺)産だけの情報を記した。

写真Kb039082は縦肋が非常に弱く、 タケシマカワニナと区別することが出来ない。

写真Kb039010の殻底肋は7本。 また複数個体で6本を確認。これはヤマトカワニナ亜属の中では極希である。

文献9では 沖の白石(沖白石・沖ノ白石・白石島・白石磯・船木三石・化石などの別称もある)周辺にだけ分布するとあるが、琵琶湖淀川水系のほぼ全域で、本種と見なせる個体を確認している。 これは本種が沖の白石で種分化したことを否定し、ハベカワニナの変異幅に含まれることを意味する。 本種は螺状脈がやや強い、ハベカワニナ類の一型と考えられる。

目次