濃尾平野の淡水魚(6)








イトモロコ
 Squalidus gracilis gracilis (Temminck and Schlegel, 1846)
   
   
   

口から空気を出す

煙幕からの摩り替りの術
生息水域は多いですが個体数はそれに比べると多くありません。



スゴモロコ
 Squalidus chankaensis biwae (Jordan and Snyder, 1900)
  
   
   
     

冷凍赤虫を食う

ヤリタナゴと衝突

ヤマトシジミの殻が散乱する汽水域

空石積護岸を縫う
生息水域も個体数も多いです。濃尾平野は従来の自然分布域から言えばコウライモロコとされますが、 スゴモロコとコウライモロコは遺伝と形態の両面で区別できないためスゴモロコとしました。 詳細は「同定(5)」に記しています。



デメモロコ濃尾型
 Squalidus sp.
    
    
    
    
   
   
   
   

スゴモロコ×デメモロコ濃尾型
   
   
生息水域は少ないですが個体数が多い水域もあります。 詳細は「デメモロコ濃尾型」に記しています。 希にスゴモロコとデメモロコ濃尾型が同所的に見られる場所があり、 これまで数個体だけ両者の交雑と思われる個体を確認しています。写真のスゴモロコ×デメモロコ濃尾型は、 上段左写真の上の個体がデメモロコ濃尾型で、下の個体と他の5枚の写真はスゴモロコ×デメモロコ濃尾型です。 測定形質は全長(91.9mm)、体長(74.9mm)、頭長(19.2mm)、吻長(4.8mm)、体高(11.7mm)、尾柄高(6.7mm)、 上顎長(4.9mm)、口髭間(4.4mm)、眼径(5.8mm)、瞳孔径(2.3mm)、口髭(3.8mm)、腹鰭臀鰭間(12.3mm)、 肛門臀鰭間(4.2mm)、口髭÷眼径(66%)、肛門臀鰭間÷口髭間(95%)、頭長÷体長(25.63%)で、 両者の特徴の中間的な形質を現しています。



ニゴイ類
ニゴイ×コウライニゴイ or ニゴイ
 Hemibarbus barbus × H. labeo or H. barbus
   
   
   
   
   
   
   

ニゴイ×コウライニゴイ or コウライニゴイ
 Hemibarbus barbus × H. labeo or H. labeo
   
   
日本産のニゴイ Hemibarbus barbus (Temminck and Schlegel, 1846) とコウライニゴイ Hemibarbus labeo (Pallas, 1774) は、 1990〜1992年に日本魚類学会年会で発表され、その後に論文化されることなく今日に至っています。 それによると、両者は遺伝的に別種レベルの差がありながら、分布の境界付近では交雑しているようです。 形態的には下唇皮膜がニゴイは未発達でコウライニゴイは発達。 ニゴイは鰓耙数12〜18で上顎長は体長の7.3〜9.4%、コウライニゴイは鰓耙数19〜25で上顎長は体長の10.0〜14.4%。 他にニゴイはコウライニゴイに比べて、体高と背鰭高の体長比が大きく、吻長と両眼眼隔の体高比が小さい傾向があるようです。 しかし、琵琶湖・三重県・石川県などでは交雑し、両者を形態形質のみで正確に同定することは、不可能に近いと思われます。 写真のニゴイ×コウライニゴイ or コウライニゴイとしている上段の個体は、 揖斐川水系の汽水域で採集し、全長約33.7cmで鰓耙数21です。下唇皮膜はやや発達している程度です。 その下段の個体は岐阜県の長良川水系で採集し、下唇皮膜がよく発達しています。 これらとは別に全長26.5cmで、下唇皮膜がよく発達しいるにも関わらず、鰓耙数は13という個体も出現します。 濃尾平野で見られるニゴイ類は、ニゴイやコウライニゴイと判断できる個体もいますが、両種の中間的な個体がほとんどです。



ウグイ
 Tribolodon hakonensis (Günther, 1877)
   
    

大寒の汽水域で見つけた

手掴みに成功
生息水域は広いですが淡水域での生息数は多くはありません。汽水域では冬場を中心に多く見られます。



アブラハヤ
 Rhynchocypris lagowskii lagowskii (Dybowski, 1869)
  
   
    
岐阜県側では普通に見られますが愛知県側には少ないです。



タカハヤ
 Rhynchocypris oxycephalus (Sauvage and Dabry de Thiersant, 1874)
  
  
  

カメラの前を横切る
岐阜県側では湧水の影響がある場所に多く見られます。愛知県側では確認していません。



ドジョウ
 Misgurnus anguillicaudatus (Cantor, 1842)
  
  
   
   
   
   
    
生息水域は多いですが、近年はどこにでもいる魚ではなくなりました。 濃尾平野では川魚食文化が発達していますが、柳川鍋のようにドジョウ類を使った料理はほとんどありません。 形態から日本系(在来)と中国系(外来)の両方が生息していると思われる。



カラドジョウ  国外移入種
 Misgurnus dabryanus (Dabry de Thiersant, 1872)
  
  
   
   
   
   
   
   
生息水域は増えつつあります。ドジョウと混獲したことはないですが、 ドジョウの生息水域が、カラドジョウに置き換わった場所はあります。