ウナギの蒲焼





はじめに

ウナギは甘露煮、赤味噌焼き、塩焼き、豆板醤炒め、ニラ炒め、肝焼き、吸い物、肝吸い、味噌汁、コーンポタージュ、 佃煮、甘露煮、うなぎのたれ煮込み、紅生姜煮丼、焼肉のたれ丼、天ぷら、唐揚げ、竜田揚げ、骨せんべいなどで食べましたが、 蒲焼よりも美味しい食べ方は見つかりませんでした。 ウナギの蒲焼を20年以上試行錯誤し、一般家庭で素人が出来る、最上の作り方を紹介します。 ウナギは3尾も捌くと慣れます。泥抜きは不要です。 たれはシンプルが一番で、頭部や中骨を入れると不味くなります。

■ウナギの捌き方

■ウナギの保存方法

■うなぎのたれ

■蒲焼以外の料理


蒲焼の作り方

No. 1 2 3 4 5
方法
■フィッシュロースター(両面)
+魚焼きホイル+霧吹き

■フィッシュロースター(両面)
+魚焼きホイル

■フィッシュロースター(片面)
+アルミホイル

■フィッシュロースター(両面)
+アルミホイル

■魚焼きグリル
+アルミホイル
串打ち ◎不要 ◎不要 ◎不要 ◎不要 ◎不要
○普通の焼魚程度 ○普通の焼魚程度 ○普通の焼魚程度 ○普通の焼魚程度 ◎少ない
手間 ◎楽 ◎楽 △やや面倒 △やや面倒 ○普通
焼き時間 △やや長い ○普通 △やや長い ○普通 ◎やや早い
身崩れ △希に身と皮の剥れ ○あまり無い △希に身割れ △希に身割れ ○あまり無い
たれ ◎丼に使える ◎丼に使える ◎丼に使える ◎丼に使える ◎丼に使える
◎非常に良い ◎非常に良い ◎非常に良い ○良い ○良い
臭み消し ◎完全に消える ◎完全に消える ◎完全に消える ◎完全に消える ◎完全に消える
ふっくら感 ◎ある ○少しある ○少しある ○少しある ○少しある
焦げ ○普通 ○普通 ◎焦げ難い ○普通 △やや焦げ易い
片付け ○楽なことが多い ○楽なことが多い ◎とても楽 △やや面倒 △やや面倒
メソ ○美味しくなりそう △板状になり易い △板状になり易い △板状になり易い △板状になり易い
総合評価 ◎100点 ◎95点 ◎90点 ◎85点 ◎80点
No. 6 7 8 9 10
方法
■オーブントースター
+魚焼きホイル

■オーブンレンジ
+魚焼きホイル

■フィッシュロースター(両面)

■串焼き機

■フライパン
+魚焼きホイル
串打ち ◎不要 ◎不要 ◎不要 ×必要 ◎不要
◎少ない ◎少ない ○普通の焼魚程度 △酷い ◎少ない
手間 ◎楽 ○普通 △やや面倒 ○普通 ◎楽
焼き時間 ○普通 △やや長い ○普通 ○普通 △やや長い
身崩れ ○あまり無い ○あまり無い ◎ほとんど無い ○あまり無い ◎ほとんど無い
たれ ◎丼に使える ◎丼に使える △少しロスが出る ×ややロスが多い ◎丼に使える
○良い ○良い ○良い △普通 ×良くない
臭み消し ◎完全に消える ◎完全に消える ○消える △僅かに残る △少し残る
ふっくら感 ○少しある ○少しある △やや硬い ○弾力感がある ○少しある
焦げ △やや焦げ易い △やや焦げ易い ○普通 △やや焦げ易い △やや焦げ易い
片付け ○楽なことが多い ○楽なことが多い ×面倒 △やや面倒 ◎とても楽
メソ △板状になり易い △板状になり易い △板状になり易い ×串打ち出来ない ○使えそう
総合評価 ○75点 ○70点 ○60点 △40点 △30点
No. 11 メソ用
方法
■魚焼き網

■フライパン


串打ち △打った方が良い ◎不要
×とても酷い ◎少ない
手間 ○普通 ○普通
焼き時間 ○普通 ○普通
身崩れ ×網に張り付き易い △皮が捲れ易い
たれ △少しロスが出る ○丼に使い辛い
△技術次第 ○良い
臭み消し △技術次第 ◎完全に消える
ふっくら感 △やや硬い ◎ある
焦げ ×焦げ易い ○普通
片付け △やや面倒 ○楽
メソ ×板状になる ◎美味しく変わる
総合評価 ×20点 ○50点
良質のウナギはNo.1〜7をおすすめします。フライパン(メソ用)はメソや痩せたウナギなど、質の悪い個体を、より美味しく変えられます。 一般家庭にある調理器具で、たいてい美味しく食べられますが、ウナギが金網に直接触れる焼き方は、美味しく作ることが出来ません。 七輪やバーベキューコンロなどを使いたい場合は、串焼き機のように、浮かして焼いて下さい。それでも総合評価△40点前後です。


確り焼くことが重要

時間(分)0510152025303540455055606570
45〜50cm
50〜55cm
55〜60cm
60〜65cm
65〜70cm
70〜75cm
75〜80cm
80〜85cm
生  確り焼けた  霧吹き  たれ  完成
 ▼ 完成までの目安時間
 フィッシュロースター(両面)、フィッシュロースター(片面)、魚焼きグリル、
 オーブントースター、オーブンレンジ、串焼き機、フライパン。

 全長45〜85cmのウナギは、
 確り焼く20〜55分+霧吹き5分+たれ焼き10分
 完成まで35〜70分は掛かります。
 冷凍は+5〜10分。
 複数個体を同時に焼くと、より時間が掛かります。

 火力が強くて、早く出来そうな場合は、弱めてじっくり時間を掛けます。
段階 A B C D E
時間 0分 5分 16分 23分 32分
状態 生期 不安定期 安定期 焼けた気がする期 確り焼けた期
解説 生の状態から、確り焼けるまでは、約60%くらいに縮みます。 丸まりやすく、頻繁に引っ繰り返して、真っすぐ安定するようにします。 身が白くなって、形が安定し、水分が飛び、粘液が焦げて、かすが出ます。 少し焦げ目が出来て、うっすら脂が出て、確り焼けたと、勘違いされやすい頃です。 脂が抜け落ち、軟らかくて身割れが始まり頃で、焦げる寸前が目安です。
ウナギは臭い魚です。その臭みは「確り焼く」だけで8割、「たれ」で2割を消すことが出来ます。 ウナギは小骨の多い魚です。その小骨は「確り焼く」だけで、気にならなくなります。 逆に言えば、確り焼かないと、臭くて小骨が気になって不味いです。 D段階でたれへ進む方が多い印象です。 これ以上に焼くと、焦げるのではないかと、不安になるかもしれませんが、まだ全く焼けていません。 尾鰭付近を除いて、簡単には焦げないため、我慢して焼き続けて下さい。 ウナギは確り時間を掛け、焦げ始める直前まで焼くのが、臭みを消して、味を向上させる、最も重要な工程です。

●確り焼いた後で霧吹き
確り焼けた後は、臭みは無くなり、味は良くなりますが、 ウナギの脂で揚げられて硬くなり、水分は抜けてパサパサになります。 そこで関東風は蒸して、水分を戻すのですが、 一般家庭では蒸し器を出す手間と、20〜30分も時間が掛かり、上手にやらないと身崩れしたり、脂や旨味も流れ落ちてしまいます。 それと比べて霧吹きは、手間要らずで、時短で簡単です。 蒲焼の作り方として、No.1しか霧吹きは使っていませんが、他の方法でも確り焼いた後で、霧吹きするとより美味しくなると思います。


味の違い

蒲焼の味は部位によって4つに大別できます。 前腹は内臓がある分だけ身が薄く、腹骨は硬さを感じます。 後腹は前腹よりも少し身が厚く、腹骨も少し軟らかいです。 前尾は身が厚くて脂が多く、小骨が気にならず、軟らかくて最上の部位です。 後尾は前尾ほど脂は多くなく、身が薄いため皮の味が強くなります。

●天然 vs. 養殖
全長(cm)304050607080以上
天然
養殖
天然
養殖
天然
養殖
味(点)0102030405060708090100
天然
養殖
「天然ウナギと養殖ウナギはどっちが美味しい?」という比較をよく目にしますが、 養殖は全長40〜50cmと揃っていますが、天然はそれ以下もそれ以上もいるため、 身の厚みや骨の太さが異なり、公平な比較ができません。 仮に同程度を比較すれば、確実な違いは皮だけで、天然が厚くて硬く、養殖が薄くて軟らかいです。 脂は量が同じ場合、養殖の方が濃くてしつこく、天然は薄くてあっさりが多いです。 総合的な判断の味は、養殖は70〜80点で安定していますが、天然は20〜100点と幅が広く、洗剤臭などで食べられない0点までいます。 ただ、養殖で100点やその近くを食べたことがありません。 ようするに、養殖は全体的に美味しく、天然は不味いから絶品までいる。 どっちが美味しいかは一概に言えません。